反応時間（リアクションタイム）

反応時間は、刺激を受けてからその刺激に対する筋肉の反応が始まるまでの時間です。反応に影響を与える主な要因は、それぞれが提示される応答を必要とする可能性のある刺激の数です。

起こりうる反応が一つしかない場合(単純反応時間)、反応するのに短い時間しかかかりません。複数の反応が起こりうる場合(選択反応時間)、どの反応を実行するかを決定するのに時間がかかります。

Hick(1952) [2] は、起こりうる反応の数が増加するにもかかわらず、反応時間が一定に保たれる時点まで、反応時間が可能性のある反応の数に比例して増加することを発見しました(ヒックの法則)。

反応速度の向上

反応時間

反応時間自体は本質的な能力ですが、全体的な反応時間は練習によって改善できます。コーチとアスリートは、自分たちのスポーツのスキルの種類と必要条件を分析し、全体的な反応の改善点を決定する必要があります。次の点を考慮してください。

合図を感知する – 短距離走のスタートで、スターターの声と銃の音に注目し、後ろの群衆の音や否定的な考えから離れる。
適切な合図の感知 – ゴールキーパーがペナルティキックでの相手の身振りの分析を身につける。
意思決定 – セットプレーやゲーム状況の把握。
集中力の変化 – 侵略型ゲーム（サッカー、バスケットボール、ラグビー等）において、敵への集中からフィールドへの集中へと素早く切り替えることができる。
不安のコントロール – 競合の情報を追加することで反応時間が遅くなる。
モチベーションの最適化 – 「心構えをする」
ウォームアップ – 感覚器官と神経系が情報を伝達する準備ができ、筋肉がそれに作用する準備ができていることを確認する。

反力速度ドリル

反応速度トレーニングの目的は、刺激に対する反応時間を向上することです。ドリルには、物体(例えばフットボールやホッケーのパック)のコントロールを含めることができます。反応が起こるきっかけは視覚的なもの(物体の動き)でも、特定の命令(声)や音(スターターピストル)でもいいです。合図は、あなたのイベントやスポーツに適している必要があります – 短距離選手のスターターピストル。外部刺激に対する反応速度ドリルの例を以下に示します。

地面からの純粋なスピードが重要なイベントやスポーツに適用できます
開始姿勢	仰向けまたはうつ伏せ
合図	音声または音
動作	起き上がり、指定された地点まで20〜30メートルを全力疾走すること。
注意	指定された地点は、色々な地点へ移動するコーチであり、その結果、選手は、コーチが立っている場所を最初に判断するのは聞こえる合図の音だけです。

アスリートがボールをコントロールするスポーツに
開始姿勢	ボールをコントロールして走るのが簡単な姿勢
合図	左、右、後ろ、前のいずれかの音声による指示。
動作	ボールをコントロールしながら、指示された距離を合図の方向に全力疾走し、ゆっくりなランニングで戻ります。
注意	このトレーニングは、選手をスタート地点に戻し、次の選手にボールをパスするために、3回または4回繰り返します。

短距離走者がスターターピストルに対する反応を向上させるため
開始姿勢	楽な姿勢でまっすぐ立つ
合図	選手の後ろからホイッスルを吹く、または手をたたく
動作	次のすべてが同時に発生します。右膝は、大腿が地面と平行になり、下腿が地面に対して垂直になり、足関節が背屈する位置まで鋭く引き上げます。腕がスプリント位置に移動します。左足は爪先立ちになります。
注意	ここでは、右足がスプリント開始時にスターティングブロックの後方に配置されると仮定します。左足の場合は、上記の脚の動作を変更します。

ボールが関わるスポーツに
開始姿勢	立っている、座っている、横になっているなど、静的な姿勢をとります。
合図	前に立っているコーチが、肩の高さからボールを落とします。
動作	2回目のバウンドの前にボールをスプリントしてキャッチすること。
注意	コーチの立ち位置を調整して、運動を効果的にする必要があります。

参照
1.DAVIS, B. et al. (2000) Physical Education and the study of sport. 4th ed. London: Harcourt Publishers. p. 312
2.HICK, W.E. (1952) On the rate of gain of information. Quarterly Journal of Experimental Psychology, 4, p. 11-26

関連文献

以下の参考資料は、このトピックに関する追加情報を提供しています。
・PAIN, M. T. and HIBBS, A. (2007) Sprint starts and the minimum auditory reaction time. Journal of sports sciences, 25 (1), p. 79-86
・ECKNER, J. T. et al. (2010) Pilot evaluation of a novel clinical test of reaction time in National Collegiate Athletic Association Division I football players. Journal of athletic training, 45 (4), p. 327
・ASHTON-MILLER, J. A. et al. (2014) U.S. Patent No. 8,657,295. Washington, DC: U.S. Patent and Trademark Office
・DEL ROSSI, G. et al. (2014) Practice Effects Associated With Repeated Assessment of a Clinical Test of Reaction Time. Journal of athletic training.

参照ページ
MACKENZIE, B. (1998) Reaction Time [WWW] Available from: https://www.brianmac.co.uk/reaction.htm [Accessed 17/4/2020]