Brian Mackenzieがスピード向上の概要を提供しています。
スピードとは、ランナーの脚であれ砲丸投選手の腕であれ、手足の動きの速さです。スピードはすべてのスポーツに不可欠な要素であり、次のいずれか、またはその組み合わせで表すことができます。
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スピードは何に影響されるの?
スピードは運動選手の可動性、特有の筋力、筋持久力、技術に影響されます。
スピードのためのエネルギーシステム
対地速度のためのエネルギーは無酸素性の非乳酸性エネルギー産生(anaerobic Alactic)機構によって供給されます。Anaerobic(乳酸を含まない)Alactic(酸素なしの)エネルギーシステムは、アスリートが最高速度の95%から100%で走りながら、30mから60mの間で最高速度に近づくときの挑戦が最適です。この嫌気的代謝のスピード要素は約6秒間持続し、筋肉疲労がないとき(通常は24〜36時間の休息後)にトレーニングする必要があります。
スピードを向上するにはどうすればいいの?
短距離走のテクニックは、低速で繰り返し練習してから、最高速度で走るように変換する必要があります。運動神経(ノイロン)とそれが供給する筋群から構成される運動単位の刺激、興奮、正しい発火順序によって、高頻度の運動が起こりうる。全体のプロセスは明らかではないが、正確なパターンを埋め込むためには、運動単位と筋肉の複雑な協調とタイミングをハイスピードで繰り返し練習しなければならなりません。
柔軟性と正しいウォームアップはストライド長と頻度に影響します(フットストライク率)。筋力、パワー、持久力、ランニング技術を向上することで、ストライド長を伸ばすことができます。スピードの向上は非常に具体的であり、それを達成するためには、以下を確実にする必要があります。
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スピードワークはいつ実施すべき?
ランニングスピードの向上は脳や神経系によって制御される複雑な過程であることを覚えておくことが重要です。ランナーがより速く動くためには、脚の筋肉はもちろんより速く収縮しなければならないが、脳や神経系もまた、これらのより速い動きを効率的に制御することを学ばなければなりません。年間を通して何らかのスピードトレーニングを行えば、筋肉や神経系が速く動いている感覚を失うことはなく、後になって脳が適切なコントロールパターンを再学習する必要もありません。
トレーニング週間では、休憩や軽めのトレーニングの後にスピードワークを行います。トレーニングセッションでは、ウォームアップ後にスピードワークを行い、他のトレーニングは低強度で行うべきです。 |
スピードワークアウト
イベント | スピードセッション |
100m | 10 x 30m 完全に回復した状態でスターティングブロックからレースペース 3~4 x 80m 完全に回復した状態でレースペース |
800m | 5 x 200m 10秒の回復時間と目標のレースペース 4 x 400m 2分の回復時間と現在のレースペースより2~3秒速く |
1,500m | 4 x 400m 15~10秒の回復時間で目標のレースペース 4~5 x 800m 6分の回復時間で800mあたり5~6秒目標のレースペースよりも速く |
50,000m | 4~5 x 800m 60秒の回復時間で目標のレースペースよりも800mあたり4秒速く 3 x 1mile(約1.6km)2分の回復時間で目標のレースペースより1mileあたり6秒速く |
100,000m | 3 x 2000m 2分の回復時間で200mあたり3秒目標のレースペースよりも速く 5 x 5分間ワークインターバル 3分の回復で現在の5kmのレースペース |
マラソン | 6 x 1mile(約1.6km)の繰り返し 1分の回復時間で、目標レースペースよりも1mileあたり15秒速く 3 x 3000m 6分の回復時間で10,000のレースペース |
スプリントスピード
スプリントスピードは、さまざまな方法で向上できます。
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これら2つの方法で潜在的な危険性を理解できると確信しています。
下り坂走は、スプリントスピードを上げるよりも安全な方法です。下り坂が最大15度ある坂道が最適です。40m~60mで最高速度に達してから、さらに30m速度を維持します。セッションは、3~6回の繰り返しで2~3セットで構成します。この方法の難点は、安全な表面を持つ適当な丘を見つけることです。
強風が吹いているときは追い風を背にして、オーバースピードセッションを陸上トラックで行うこともできます。
リアクションスピードドリル
選手はうつ伏せになる、仰向けになる、腕立て伏せや腹筋の体勢になる、膝をつく、座るなど、さまざまな姿勢からスタートします。コーチはグループから約30m離れた場所に立ち、合図をだすと、全員がジャンプして起き上がり、レースペースよりもわずかに速い速度でコーチがいる場所まで走ります。さまざまなスタートポジションを使い、選手が走り始めたらすぐに方向転換しなければならないように、コーチは色々な場所に立って繰り返します。また、道具(例えば、足、手、ホッケースティック)でアイテム(例:フットボール、バスケットボール、ホッケーボール)をコントロールしながら、リアクションスピードドリルを行うこともできます。
スピードの原則
スピードを向上させるための一般的な原則は次のとおりです。
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7ステップモデル
以下は、スピードを向上させるための7ステップモデルです。
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参照文献
MACKENZIE, B. (2003) Zero to 22mph (36km/hr) in 3 seconds. Brian Mackenzie’s Successful Coaching, (ISSN 1745-7513/ 3 / July), p. 8-9
参照ページ
ACKENZIE, B. (2003) Zero to 22mph (36km/hr) in 3 seconds [WWW] Available from: https://www.brianmac.co.uk/articles/scni3a7.htm [Accessed 13/3/2020]