ランニングトークテスト

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ランナー必見!トークテストでエネルギーモードを知ろう!

ランニングトークテストでエネルギーシステムを確認しよう!

ランニングトークテストを活用すると、自分が現在どのエネルギーシステムを使っているのかを簡単に確かめることができます。

このテストは、ランニング中の運動強度を測るための方法として用いられます。ランニング中に話せるかどうかを確認することで、どのエネルギーシステム(ATP-CP系、乳酸系、有酸素系)が優位に働いているのかを判断できます。

ランニングトークテストの活用方法

話す能力を利用することで、アスリート自身がトレーニングの強度を調整しやすくなります。

もともとトークテストは持久系アスリート向けに使用されていましたが、現在では中距離アスリートやスプリンターにも活用されています。

アスリートは、以下の3つのエネルギーシステムのいずれか、または複数を同時に使用している可能性があります。

1.ATP-CP系:短距離スプリント時に優位になる。

2.乳酸系:中距離ランニングや長めのスプリントで主に使用される。

3.有酸素系:持久系アスリートが主に利用するエネルギー供給システム。

トークテストと持久走の関係

2011年にニューハンプシャー大学のRobert Kertzer運動生理学研究室が行った研究[3]では、トークテストを利用した主観的な測定が、持久系ランナーが乳酸閾値(LT)に近づいているかどうかを判断するのに有効であることが示されました。

つまり、トークテストで会話が難しくなった場合、その強度を維持すると運動の持続時間が制限されるということです。

また、アスリートの血中乳酸濃度が急激に上昇すると、乳酸の蓄積(OBLA:Onset of Blood Lactate Accumulation)が起こります。この状態になると、血液中に生成される乳酸の量が、体が処理できる量を超えてしまい、パフォーマンスが低下します。

持久走中に主に有酸素性エネルギーシステムを使用している場合、運動強度は最大乳酸定常状態(MLSS:MaxLass)に達します。これを超えると、エネルギー供給が乳酸系へと移行し、2〜3分以上その強度を維持するのが難しくなります。

持久系ランナーの中には、乳酸系の使用を遅らせるだけでなく、有酸素性エネルギーシステムのみを活用したいと考える場合もあります。その際のトレーニング強度を調整する手段としても、トークテストは有効です。

トークテストの信頼性と有酸素ゾーンの維持

Hanc(2004)[2]の研究によると、ランニングトークテストは、最適な有酸素ゾーン(最大心拍数の65〜80%)を維持するための信頼性の高い測定方法とされています。

楽に会話ができる場合有酸素性エネルギーシステムが優位に働いている状態

話すのが少し難しくなる場合乳酸閾値に近づいている可能性がある

ほとんど話せない場合乳酸系またはATP-CP系が主に働いている状態

会話ができる状態というのは、体が必要とする酸素量を十分に取り込めている証拠です。しかし、運動強度が上がるにつれて筋肉の酸素需要が増え、会話に使える酸素がどんどん減少していきます。

この変化を把握することで、ランナーは自分の運動強度を適切に管理し、トレーニング効果を最大化することができます。

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参考文献

LONG, M (2012) It’s good to talk. Athletics Weekly, November 15th 2012, p. 39
HANC, J. (2004) Symmetries and conservation laws: Consequences of Noether’s theorem. Am. J. Phys. 72, p. 428
QUINNA, J. and COONSA, B.A. (2011) The Talk Test and its relationship with the ventilatory and lactate thresholds. Journal of Sports Sciences, Volume 29, Issue 11, p. 1175-1182

参考ページ

LONG, M. (2014) Running Talk Test [WWW] Available from: https://www.brianmac.co.uk/articles/article160.htm [Accessed 22/1/2020]

参考記事

The information on this page is adapted from Long (2012)[1] with the kind permission of the authors and Athletics Weekly.
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