Brendan Chaplinが検証する「子どもの筋トレは必要か?」
「レジスタンストレーニングは子どもや青少年にとって安全なのか?」
この疑問について、Brendan Chaplinが詳しく検証します。
事実?それとも誤解?
「子どもは重りを使ったトレーニングをすべきではない?」
この議論を進めるために、次の3つのポイントを考えます。
1. レジスタンストレーニングは子どもや青少年にとって安全なのか?
2. そもそも必要なのか?
3. どのようなメリットがあるのか?
パート1では「安全性」について検証しました。

このパート2では「筋トレが本当に必要か?」を掘り下げ、

パート3では「具体的なメリット」について解説します。
筋トレによるメリットとは?
これまでの考えとは異なり、現在では筋力トレーニングやプライオメトリックトレーニングは、子どもにとっても安全で効果的な運動であることが示されています。
骨の成長と筋トレの関係
Convoy et al.(1993)[1]および Virvidakis et al.(1990)[2]の研究によると、ジュニアオリンピックの重量挙げ選手の骨ミネラル量は、トレーニングをしていない同年代の子どもよりも高いことが確認されました。
また、Fleck & Kraemer(2005)[3] は、男児の骨密度のピークが13〜15歳であると指摘しており、この時期に適切なレジスタンストレーニングを行うことが、骨の強化に重要である可能性があるとされています。
ピアレビュー研究が示す3つのメリット
科学的研究によると、レジスタンストレーニングは以下の点で若いアスリートに有益であると示唆されています。
1. 怪我の予防
2.身体組成の改善(筋肉量の増加・体脂肪の低減)
3. 筋力・パワー・持久力の向上によるスポーツパフォーマンスの向上
Kraemer et al.(1989)[4]、Ozmun et al.(1994)[5]、Ramsay et al.(1990)[6]の研究では、適切なレジスタンストレーニングが若年層の筋力向上と怪我防止に役立つことを示しています。
特に思春期前の若者は、筋肥大なしで筋力を向上させることが可能であることが分かっています。これは「神経筋の適応」によるもので、トレーニングを通じて運動ニューロンの発火数が増加し、筋肉の制御が向上するためです。
子どもは筋トレの準備ができているのか?
ボストンのマサチューセッツ大学の研究者 Faigenbaum(2002)[6]は、若年層の筋力トレーニングに適切な開始年齢は特にないとし、以下のように述べています。
「子どもがレジスタンストレーニングを始めるための最低年齢は存在しません。ただし、すべての参加者は、指導を受け入れて従う精神的な成熟があり、トレーニングのメリットとリスクを理解する必要があります。」
若年層向けのトレーニングプログラムとは?

では、子どもが安全に筋トレを始めるためのプログラムはどのようなものが適切でしょうか?
ASCA(オーストラリアストレングス&コンディショニング協会)の推奨する初心者向けプログラムを紹介します。
基本プログラム(週3回・サーキット形式)
実施日: 1日おきに行う(例:月・水・金)
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プログレッション
ステージ1から始めて、選手が余裕を持って達成できるようになった場合、次のステージに移ります。
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マシンよりもフリーウェイトと自重トレーニングを重視
マシンを使ったトレーニングよりも、フリーウェイトや自重を活用したトレーニングが推奨されます。
子どもたちの成長とスポーツパフォーマンス向上を考えるなら、基本的な動きの習得と神経筋の発達を優先すべきです。
優れたS&Cコーチであれば、できるだけフリーウェイトや自重を活用するトレーニングを導入するべきでしょう。
まとめ:子どもの筋トレは安全かつ効果的!
•適切な指導のもとで行えば、子どもの筋トレは安全
• 骨の成長やスポーツパフォーマンス向上に役立つ
• 段階的なトレーニングプログラムを採用すればリスクを抑えられる
「筋トレは子どもに悪い」という誤解をなくし、科学的根拠に基づいたアプローチを取り入れましょう!
1.CONVEY et al. (1993) Medicine & Science in Sport & Exercise, 25
2.VIRVIDAKIS et al. (1990) International Journal of Sports Medicine, 11
3.FLECK, S. KRAEMER, W. (2005) Strength Training for Young Athletes. London, Human Kinetics, p.24
4.KRAEMER, W. J. et al. (1989) Resistance training and youth. Pediatr Exerc Sci. 1, p. 336–350.
5.OZMUN, J.C. et al. (1994) Neuromuscular adaptations following prepubescent strength training. Med Sci Sports Exerc. 26, p. 510 –514
6.RAMSAY, J. A. et al. (1990) Strength training effects in prepubescent boys. Issues and controversies. Med Sci Sports Exerc. 22, p. 605–614
7.FAIGENBAUM, A.D. (2002) Resistance training for Adolescent Athletes. Athletic Therapy. November p. 32-35
参照ページ
https://www.brianmac.co.uk/articles/article114.htm [Accessed 19/2/2020]