鍛え方次第でパフォーマンスが変わる!正しい筋力バランスとは?

コーチング

筋力トレーニング:適切な筋バランスを手に入れるために

アレン・ジャクソン(Chadron State College)、ラリー・W・マクダニエル博士(Dakota State University)、ローラ・ゴーデット博士(Chadron State College)

筋力バランスの重要性

ベンチプレスだけで満足していませんか?
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ジムでよく見る光景のひとつに、上半身ばかり鍛えるトレーニングがあります。しかし、それだけでは筋力バランスが崩れ、思わぬパフォーマンス低下やケガを招くことになりかねません。

実は、拮抗筋(アゴニスト・アンタゴニスト)のバランスを整えることこそ、競技力向上やケガ予防の鍵なのです。特に若いアスリートにとっては、全身の筋肉をバランスよく鍛えることが、スピードやパワーの向上にも直結します。

あなたのトレーニング、本当に効果的ですか? 今こそ「筋力バランス」を見直し、最大限のパフォーマンスを発揮する方法を学びましょう!

筋力トレーニングの落とし穴

ジムでトレーニングをしていると、「自称エキスパート」に出会うことがあります。特に、若いアスリートが初めてレジスタンストレーニングを行う際、正しい方向性を見失うことがよくあります。

例えば、多くの初心者は鏡に映る自分の身体の見た目を意識した「ミラートレーニング」に偏る傾向があります。特に男性の場合、胸や腕の筋肉を鍛えることに集中しがちで、ベンチプレスやアームカールばかりを行うケースが多いのです。このような偏ったトレーニングは、身体全体のバランスを崩し、結果的に競技能力の向上を妨げることになります。

一方で、女性の場合、適切なトレーニング方法を尋ねることをためらう傾向があり、正しい指導を受けないまま自己流で進めてしまうことがあります。このような状況では、筋力バランスを意識したトレーニングを行うことが重要です。

筋力の不均衡が引き起こす問題

筋力トレーニングが適切に行われなかった場合、成長後に姿勢の問題や痛みを引き起こす可能性があります。筋バランスの欠如は、以下のような健康問題につながることがあります。

腱炎(テンドン炎)

滑液包炎(バ―サ炎)

変形性関節症

神経炎

脊柱側弯症

ハンマートゥ(足指の変形)

特に、若いアスリートの場合、下半身の筋バランスの乱れはスピード向上の妨げになることが多く、最適なパフォーマンスを発揮できなくなる可能性があります(Mackenzie, 2008)[5]。

筋力バランスの評価

筋力バランスを評価することは、新しい概念ではありません。多くのトレーナーが、若いアスリートの構造的安定性を評価する技術を活用しています。バランスの取れた筋力開発を目指すトレーニングでは、拮抗筋(アンタゴニスト)を適切に鍛えることが重要です。

筋力バランスを評価するための方法として、1-RM(最大反復回数)測定や、特定の筋群に対する1~2種類のエクササイズを処方する方法があります(Bell, 2007)[2]。

以下は、一般的に推奨される筋力バランスの比率です(Bell, 2007)[2]。

筋力バランス比率の基準

筋群

バランス比率

例(重量)

足関節 内反 & 外反

1:1

25kg : 25kg

足関節 底屈筋 & 背屈筋

3:1

75kg : 25kg

肘関節 屈筋 & 伸筋

1:1

25kg : 25kg

股関節 屈筋 & 伸筋

1:1

25kg : 25kg

膝関節 屈筋 & 伸筋

2:3

50kg : 75kg

肩関節 内旋筋 & 外旋筋

3:2

75kg : 50kg

肩関節 屈筋 & 伸筋

2:3

50kg : 75kg

体幹 屈筋 & 伸筋

1:1

25kg : 25kg

筋力バランスを改善するために

長年にわたり、身体はさまざまなストレスに適応し、時には誤った筋肉の使い方が習慣化してしまうことがあります(Schurman, 2008)[3]。特に、初心者が適切な指導を受けずにトレーニングを続けると、筋力の不均衡が生じる可能性があります。

本記事の情報を活用することで、初心者トレーナーやアスリートは、自身の筋力バランスを評価し、トレーニングプログラムを修正することで、よりバランスの取れた身体を手に入れることができます

まとめ

適切なレジスタンストレーニングによって、筋力のバランスを整えることが、パフォーマンス向上とケガの予防につながることを理解することが重要です。以下のポイントを押さえて、トレーニングプログラムを見直しましょう。

全身をバランスよく鍛えることを意識する

特定の筋群ばかりを鍛えない

拮抗筋(アンタゴニスト)の強化にも取り組む

筋力バランスを評価し、適切な負荷設定を行う

適切なアプローチを取ることで、若いアスリートは最大限のパフォーマンスを発揮し、長期的な健康を維持できるようになります。

参考文献

1.ALEXANDER (n.d.) Precision muscle balancing technology. [WWW] Available from: https://dralexander.com/precision-muscle-balancing-technology/ [Accessed 19/08/2008]
2.BELL, J. (2007) Advanced fitness assessment: muscular balance. International Fitness Professionals Association. [WWW] Available from: https://ifpa-3.fitness.com/ifpa_fitbits_Advanced_Fitness_Assessment_Muscular_Balance_56.php [Accessed 19/08/2008]
4.SCHURMAN, C. (2008) Muscle Balance Assessment. [WWW] Available from: https://www.bodyresults.com/e2assessment.asp [Accessed 19/08/2008]
5.GLUCKMAN, G. (2008) Muscle balance and function development. [WWW] Available from: https://www.musclebalancefunction.com/ [Accessed 19/08/2008]
6.MACKENZIE, B. (2008) Muscle strength and balance checks.[WWW] Available from: https://www.brianmac.co.uk/sambc.htm [Accessed 19/08/2008]

参照ページ

McDANIEL, L. et al. (2008) Muscle Balance: Getting it Right [WWW] Available from: https://www.brianmac.co.uk/articles/article041.htm [Accessed 17/2/2020]
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