下半身を使って投げるとは?運動連鎖と捻転差の作り方

下半身を使って投げるとは?運動連鎖と捻転差の作り方

「下半身を使って投げなさい」と言われたことはあるけれど、実際に何をすればいいのか分からない。そんな投手は多いと思います。この記事では、下半身を使って投げることの意味と、それを体に覚えさせる練習方法、そしてよくあるエラーとその直し方を解説します。

動画でも解説しています。動きは動画のほうが分かりやすいので、あわせてご覧ください。

下半身を使って投げるとは?

下半身を使って投げるとは、体の中心から末端に向かって、力を順番に伝えていくことだと考えています。

ピッチングでは、まず骨盤が動き、次に胸、肩甲骨、腕、そしてリリースへと力が伝わっていきます。この順番がずれずに動くことで、力が効率よくボールに伝わります。この力の伝わる流れを「運動連鎖」と呼びます。

だから、上半身だけを早く振ろうとしても、力は伝わりません。大事なのは、骨盤から始まる流れを、どううまく伝えるかです。

この流れを確認しやすい練習があるので、次に紹介します。

練習方法:骨盤が先、胸は我慢

この練習では、骨盤が先に回り、胸は遅れて回る感覚を作ります。

  1. 壁に背中を向けて、パワーポジションを取ります。軽く股関節を曲げて構える姿勢です。
  2. 前の足を少し上げて、その場に下ろします。
  3. その勢いで、軸足を体の後ろにクロスさせます。
  4. 軸足をクロスして踏み出すと同時に、骨盤がターゲット方向に回り始めます。
  5. このとき、グローブ側の肩を閉じたまま我慢します。

捻転差とは

こうして、骨盤と胸のねじれの差、いわゆる「捻転差」が生まれます。我慢を解放したとき、骨盤が回ったあとに胸がついていき、そこから肩甲骨、腕、リリースへとつながっていきます。これが運動連鎖です。

練習のポイント

全力では投げず、6割程度の強度で行ってください。まずは、順番を体に覚えさせることが目的です。

よくあるエラー① 軸足のステップ幅が広すぎる

1つ目のエラーは、ステップ幅が広すぎることです。広すぎると、上半身と下半身が一緒に回転してしまいます。

これが、骨盤が先に回るという順番が崩れた状態です。

改善方法

ステップ幅を小さくすることで解消されます。少し狭めでも大丈夫です。

【エラー】ステップ幅が広い

【修正後】ステップ幅が狭い

よくあるエラー② 上体が起き上がる

2つ目のエラーは、ステップしたときに上体が起き上がってしまうことです。起き上がると、これも上半身と下半身が一緒に回ってしまいます。

改善方法

低いまま回ることを意識してもらうと、下半身と上半身の分離(セパレーション)がうまくできます。低い姿勢のまま回って、そこから投げに入るようにしてください。

実際の指導では、「ベルトの位置を変えないように投げてください」と声をかけました。

余談:声かけのコツ

「腰を低いまま投げてください」のように、体の動きに意識を向ける声かけより、「ベルトの高さを変えないでください」のように、動きの結果や目印に意識を向ける声かけのほうが、パフォーマンスが出やすく、動作も習得しやすいと言われています。

選手に伝えるときは、体の動きではなく、目印で伝えてみてください。

まとめ

  • 下半身を使って投げるとは、骨盤→胸→肩甲骨→腕と、力を順番に伝えること
  • 骨盤が先に回り、胸は我慢することで、捻転差が生まれる
  • エラー①:軸足のステップ幅が広いと、上半身と下半身が一緒に回る。ステップ幅を小さくする
  • エラー②:上体が起き上がると、同じく一緒に回る。ベルトの高さを変えないように意識する

この2つが大きなエラーです。気をつけながら、6割程度の強度で試してみてください。

指導の際に使用している道具は以前のブログにて紹介しています。

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