どのようにパフォーマンスを測定するのか？
テストと測定は、その後のパフォーマンス評価と判定が行われる情報を収集する手段です。
評価プロセスとは？
測定/評価プロセスは、以下を含む6段階のサイクルが関与します。
- 測定する特性の選択
- 適切な測定方法の選択
- データの収集
- 収集されたデータの分析
- 意思決定
- それらの決定の実行
|
上記のすべての段階は、選手により実施される必要があります。特に収集されたデータの分析と適切な方法の実行。
テストの必要事項は？
テストを構成する際は、テストに必要な要因を測定することが重要です。したがって、主観的ではなく客観的に行われます。 そのため、すべてのテストは、具体的（問われている活動に沿ってアスリートのフィットネス評価をするように設計されているか）、妥当性（テストが測定しようとしているものをどれくらい的確に測定できているか）、信頼性（一貫して反復が可能であるか）、 客観的（検査員に関係なく一貫した結果を生み出すことができるか）。
テストを実施する際には、次の点を考慮する必要があります。
- 各テストは1つの要素のみを測定する必要があります。
- テストでは、選手側の技術的な能力は必要ありません（テクニックの評価に使用されている場合を除く）
- 選手が自分に何が必要か、何が測定されているのか、そしてその理由を正確に理解する必要があります。
- テスト手順は、管理、組織、および環境条件に関して厳密に統一する必要があります。
|
テストの利点は？
テストの結果は以下の目的に使用できます。
- 将来のパフォーマンスを予測する。
- 弱点を見つける。
- 改善を図る。
- コーチがトレーニングプログラムの成功を評価できるようにする。
- 選手を適切なトレーニングに配置する。
- 選手をやる気にさせる。
|
テストは分割して、トレーニングプログラムに多様性を加えることもできます。 それらはオフシーズンの選手の競争意識を満たすために使用できます。 最大テストは、アスリートの最大限の力を必要とするので、テスト自体がトレーニングとして役立つ場合があります。
テスト結果に影響を与える可能性のある要因は？
以下の要因がテスト結果に影響を及ぼす可能性があります（テストの信頼性）。
- 周囲の温度、騒音レベル、湿度
- テスト前の選手の睡眠量
- 選手の感情状態
- 選手が服用しているであろう薬
- 時間帯
- 選手のカフェイン摂取
- 選手が最後に摂取した食事の時間
- テスト環境 – 表面（トラック、芝生、道路、ジム）
- 選手の事前テストの知識/経験
- 測定の精度（時間、距離など）
- 選手は最大限のテストで最大限の努力をしているか
- 不適切なウォームアップ
- 出席者
- 検査員の性格、知識、スキル
- 選手の服/靴
- テストが実施される表面
- 環境条件 – 風、雨など
|
なぜ情報を記録するの？
コーチと選手にとって、仕事の量と強度の点で進行を維持するために、仕事のプログラムを監視することが重要です。コーチも選手もトレーニング記録をつけなければなりません。トレーニング日誌は、過去に何が行われ、トレーニングがどのように行われたかに関する膨大な情報を提供します。将来のトレーニングサイクルを計画する際には、この種の知識は非常に貴重です。
何を記録すべき？
記録される情報は、大きく2つのカテゴリに分類されます。
- 日々のトレーニングから得た情報
- アスリートの状態（健康状態、気持ちの状態）
- 生理学的データ（体重、安静時心拍数など）
- トレーニング構成（スピード、スピード持久力、筋力、テクニック）
- トレーニング負荷（キロ数、セットとレップ数、試みた回数）
- トレーニング強度（キログラム、最大に対する割合、VO2の割合）
- 一般的な条件（雨、風、暑さなど）
- トレーニングへの対応（課題の完了、結果として生じる心拍数の回復、疲労感など）
- 測定するステータスの情報。これはテスト形式を取ることができます。テストがプログラム全体で繰り返される場合、トレーニング分野内の進歩の尺度として使用できます。このようなテストの例を次に示します。
- タイムトライアル – スピード、スピード持久力、持久力
- 筋持久力 – 懸垂、腕立て伏せ、ディップス
- 最大筋力 – 最大挙上、最大反復
- 爆発的な力 – パワーバウンド、垂直跳び、オーバーヘッドショットパット（overhead shot putt）
- モビリティ – 可動域の客観的な測定値
- 種目 – 特有である
|
試合の評価
競技後、コーチと選手はできるだけ早く集まり、アスリートのパフォーマンスを評価する必要があります。 考慮すべき要素は、試合前の準備、焦点とパフォーマンス計画、およびこれらの計画の達成です。 評価フォームは、選手とコーチがこの評価を実施するのに役立ちます。
テストの信頼性と有効性を高めるにはどうすればよいか？
- 有能で十分に訓練された検査員を使用する。
- 機器は定期的に規格化および校正する必要があります。
- 各テストは1つの要素のみを測定する必要があります。
- 選手が何が必要かを正確に理解する必要があります。
- テスト手順は、管理、組織、および環境条件に関して標準化する必要があります。
- テストは、訓練を受けた別の検査員が簡単に繰り返すことができるように設計する必要があります。
- テストは、次回の実施時に同じ方法で管理できるように、完全に文書化する必要があります。
|
マキシマルテスト（Maximal Tests）
マキシマルとは、アスリートが最大限の努力を尽くすか、疲労するまでテストすることを意味します。最大無酸素性テストの例としては、30m加速テスト、Wingate 無酸素性30サイクルテスト、最大有酸素性テストとしては、Multistage Fitness TestまたはBleep test、Cooper VO2 max testなどがあります。
最大テストの短所は以下の通りです：
- 被験者が最大限の努力をしていることを確認することが困難
- 過度の運動やけがの危険性
- 選手の覚醒レベルに左右される
|
サブマキシマルテスト（Submaximal Tests）
サブマキシマルは運動選手が最大努力以下で行うことを意味します。サブマキシマルテストでは、外挿法を用いて最大容量を推定します。サブマキシマル有酸素性テストの例は、PWC-170テストおよびQueens College Step Testがあります。
サブマキシマルテストの短所は以下の通りです：
- 未知の最大値まで外挿法に依存する
- 小さな測定誤差であっても、外挿の結果、大きな不一致が生じる可能性があります。
|
標準データ
基準データ(平均テスト結果)が入手できる場合には、以下に示す適切な評価テストのページに記載します。
スポーツパフォーマンステスト
Sports Specific Performance Testsのページ（準備中）には、さまざまなスポーツに対するアスリートのフィットネス要素を評価するためのテストが掲載されています。
評価テストグループ
パフォーマンス評価テストは、次のようにグループ化されます。
※テスト法（内容）については徐々に追加していきます。
評価テスト
有酸素性持久力ーVO2max
- 2.4 km走行テスト
- Astrand Treadmill test – トレッドミルを用いたVO2maxテスト
- Astrand 6-minute Cycle test – スタティックバイクでのVO2maxテスト
- Balke VO2max test – 耐久スポーツに適しています。
- Balke Incremental treadmill protocol test – トレッドミルでのVO2maxテスト(男女テスト)
- Bruce Incremental treadmill protocol test – トレッドミルでのVO2maxテスト(男女テスト)
- Chester Step Test – VO2maxテスト
- Cooper VO2max test – 持久力スポーツに適しています。
- Conconi Test
- Critical Swim Speed – 水泳者の有酸素能力の評価
- Exercise Bike Fitness Test – VO2maxテスト
- Home Step Test – 自宅でできるステップテスト
- Harvard Step Test – 心血管系の適応度の評価
- Multistage Fitness Test または Bleep test – 持久系スポーツのVO2maxテスト
- Queens College Step Test – VO2maxテスト
- Rockport Fitness walking test – VO2maxテスト
- TecuTecumseh Step Test – 心血管系の適応度の評価
- Treadmill VO2 max test – VO2max test
- VO2 max from non-exercise data – VO2maxテスト
- VO2 max from a one-mile jog
- VO2 max from a race result(距離あたりの時間)
- VO2max step test
- Wheelchair VO2 max Test
- Yo-Yo Endurance Test
- Yo-Yo Intermittent Endurance Test
- Yo-Yo Intermittent Recovery Test
|
無酸素性持久
アジリティ（敏捷性）
これらの敏捷性テストはすべて、多方向運動のスポーツに適しています。
- 505 Agility Test
- Hexagonal Obstacle Agility Test
- Illinois agility run test
- ‘L’ Test
- Lateral Change of Direction test
- Quick Feet test
- Shuttle Run Test
- ‘T’ Drill test
- Zig-Zag Test
|
バランス
体組成計
協調性
競技時間予測
- 400 metres predictor test – アスリートの潜在的な400mタイムを予測します。
- 1500 metres predictor test – アスリートの潜在的な1500mタイムを予測します
- 5km predictor test – アスリートの潜在的な5kmタイムを予測します。
- Kosmin predictor test – アスリートの潜在的可能性を800mと1500mのタイムで予測します。
|
フィットネス全般
- Medicine Ball Javelin Quadrathlon – やり投げ選手のための適合性と筋力テスト
- McCloy Physical Fitness test
- Quadrathlon – 優れた総合テストー当初はスローワー用に考案されました。
- Wilf Paish Rugby Football Testsーラグビー、USAフットボール選手に適しています。
|
柔軟性
- 股関節屈曲テスト
- シットアンドリーチテスト（変更後） – 腰部とハムストリングのテスト
- シットアンドリーチテスト – 腰部とハムストリングのテスト
- 静的柔軟性テスト – 足首
- 静的柔軟性テスト – 股関節と体幹部
- 静的柔軟性テスト – 肩と手首
- 静的柔軟性テスト – 体幹部と首
- 静的柔軟性テスト – 肩
- 体幹屈曲テスト
|
心理学
リアクションタイム
筋力 – コア
筋力 – 弾性
- ジャンプ十種競技 – 跳躍が必要な選手に適しています。
- 脚部の弾性筋力テスト – 跳躍が必要な選手に適しています。
- 垂直跳びテスト – バスケットボール、バレーボール、フットボール、ラグビーなどに適しています。
- スプリント・バウンド指数テスト – 短距離走者に適しています。
- スタンディングロングジャンプテスト – 短距離、ラグビー、フットボール、ホッケー、フェンシングなどに適しています。
|
筋力 – 一般
- アブドミナルカールコンディショニングテスト(NCF)
- バイセップスカールテスト
- バーピーテスト
- カナダ式クランチテスト
- チンアップテスト – 腕と肩の筋肉の持久力
- 動的膝伸展テスト – 膝伸筋
- Flexed Arm – Hang Test
- シットアップ テスト – 腹筋力
- カールアップテスト – 腹筋持久力
- 握力ー握力計による握力
- オーバーヘッドプレステスト – 肘の伸展筋と肩甲帯筋
- プレスアップテスト – 上半身筋持久力
- 筋力テスト – 上半身 – ベンチプレス
- 筋力テスト – 下半身 – レッグプレス
- 筋力テスト – ハムストリングス – レッグカール
- 筋力テスト – 大腿四頭筋 – レッグエクステンション
- スクワットテスト
- ウォールスクワットテスト – 大腿四頭筋の持久力
|
スピードとパワー
- 10ストライドテスト – 200mおよび100mの選手を対象
- 30m加速テスト – 200mおよび100mの選手を対象
- 30mスプリント疲労 – パワーメンテナンステスト
- 35mスプリントスピードテスト
- 40mマルチプルスプリントテスト
- 40ヤードスプリントスピードテスト – 選手の400メートルタイムを予測
- 60mスピードテスト – 200mおよび100mの選手を対象
- 150m持久力テスト – 100mの選手を対象
- 250m持久力テスト – 200mの選手を対象
- 300ヤード・シャトルテスト – フットボール、ラグビー、ホッケー、バスケットボール、スカッシュの選手に適しています。
- 400mドロップオフテスト – 100mおよび200mの選手を対象
- 400mコントロールテスト – 400mの選手を対象
- コンセプト2ローイングステップテスト – 無酸素性作業閾値のモニタリング
- フライング30mスピードテスト – 100mおよび200mの選手を対象
- LAS(乳酸 対 スピード)テスト – 400mの選手を対象
- Margaria Kalamenパワーテスト
- PWC-170テスト – 心拍数170bpmでの出力を予測
- Wingate 無酸素性30サイクルテスト – サイクリングベースの無酸素性テスト
|
才能の評価
ヤングアスリートの検査
以下のテストは若い運動選手に用いられます。
- Athletics365 – 8~15歳を対象にしていますが、若いアスリートにも適用できます。
|
関連文献
以下の参考資料は、このトピックに関する追加情報を提供しています。
・NOAKES, T. D. (1988) Implications of exercise testing for prediction of athletic performance: a contemporary perspective. Medicine and Science in Sports and Exercise, 20 (4), p. 319-330
・HOPKINS, W. G. (2004) How to interpret changes in an athletic performance test. Sportscience, 8, p. 1-7
・HOFFMAN, J. R. et al. (1996) Relationship between athletic performance tests and playing time in elite college basketball players. The Journal of Strength & Conditioning Research, 10 (2), p. 67-71
参照ページ
MACKENZIE, B. (1997) Performance Evaluation Tests [WWW] Available from: https://www.brianmac.co.uk/eval.htm [Accessed 19/3/2020]
コメント